プチ・クロージング

Itoi,LLC 社長
 糸井名生(いとい・なおまる)氏

自閉症関係のビジネスを売り払いました。買い手はシリコンバレー在住の起業家。彼はもう何度も起業して十分な財を成したので、半ば引退し、今は障害のある子供の学校のボードメンバー(日本でいう理事?)をしています。この学校に私がMyVoiceを売ったので、その縁で興味を持ってもらいました。私の作ったMyVoiceソフトウェアを買い取って、それをマーケットして売るビジネスをしたいとのこと。

ビジネスを売る、と言っても、もちろん色々なレベルがありまして、Google が YouTube を $1.65 billion (1815億円)で買った、などと比べると、桁がいくつも違います。これでもうかったお金でしばらく仕事をしなくていい、ということも全くありません。しかし、一年間、一生懸命やった仕事が無駄にならず、興味を持った人が引き継いでくれる、というのは、嬉しいことです。私にないセールス・マーケティング技術を持った会社が、この製品を世に広めてくれれば、技術者冥利に尽きます。

ビジネスを売る過程で重要と思ったことは:

・サードパーティーのリソース(ソフトウェアや画像、音声など)を使う場合、使ったもののリストを作っておく
・バレないからといって、ライセンスに問題のあるサードパーティーのリソースを使わない
・ソフトウェアのビルド、インストール等を、他の人が引き継げるように、文書化しておく

どれも当然のことですが、スタートアップの激流の中にいると、つい怠ってしまいます。時間と労力を使い過ぎてはいけませんが、いつ人に買われるかわからない、ということを念頭において、必要となればすぐに対策が取れるように、メモを残したりしておくことが大切です。

 (糸井名生氏のブログ「柳通り便り(http://blog.goo.ne.jp/naomaru1)」より転載)

糸井名生(いとい・なおまる)氏

1973 年生まれ。名古屋大学工学部情報工学科卒。1996年に渡米し、ミシガン大学コンピューターサイエンスの修士・博士課程へと進学。電子認証などのセキュリ ティプログラムに関連する研究でPh.Dを取得。2001年、サンマイクロシステムズへの入社を機にシリコンバレーへ。アクティブカード社などを経て、 2007年4月Itoi,LLCを起業。



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