子育てと起業

Itoi,LLC 社長
 糸井名生(いとい・なおまる)氏

 

明けましておめでとうございます。

昨年の11月に二番目の、女の子が産まれたため、また投稿の間が空いてしまいました。今も抱っこしながらこれを書いています。

当然のことですが、子供ができると、家ですることが増えます。一日を順に追って行くと、

朝 6:45 長男が起きるので起きる
長男の着替え
月曜と金曜は洗濯
自分の朝食の支度
朝食
長男の学校の準備
長男を自転車で学校へ送る
8:40 の電車で会社へ
仕事
午後 6:00 仕事終わり
6:10 の電車で家へ
学校に寄って長男の自転車を持って帰る
長男、次女と遊ぶ
夕食
次女、長男を風呂に入れる
長男の着替え
長男に絵本を読む
9:00 長男が寝る
リラックスする時間。妻と話したり、本を読んだりする。
10:30 自分が寝る

というような感じ。こう書くと大変そうですが、実は本当に大変です。仕事は6時で終わらせないといけないので、一分も無駄にできませんから、常に真剣に仕事します。もちろん、もっと遅くなる日もあります。

さて、こう書いたのは、俺はこんなにがんばってるんだ、と言いたいわけではありません。

そうではなくて、家庭をもって、家事に参加して、妻も仕事をし(今は産休中ですが)、かつスタートアップで働く、という事が、可能なんだ、と言いたいからです。家庭があるからスタートアップは無理、あるいは逆に、スターアップで働くと仕事が忙しいから家庭は持てない、と考えてしまう人が多いような気がしますが、そんなことは無いと思います。

家庭に回す時間は捻出するために、仕事では、無駄な時間をぎりぎりまで削ります。

・しなくていい仕事はしない
・行かなくてもいい会議に行かない
・会議は必要最低限の時間で終わらせる
・政治は、どうしても必要なとき以外はしない
・同じ議論を一度以上しなくていいように、議事録を取り、アクションアイテムをフォローアップする
・行きの電車の中で、一日にする事を箇条書きにして、職場ではそれをこなす
・メールで解決できない問題は直接話して解決

アメリカは、家庭と仕事の両立ができるように、仕事には時間をかけ過ぎず、効率的にやって、家にかえって家族とのんびりする、というのを重視する文化を持っています。一般にアメリカの会社では、社員の多くは早く家に帰りたいと思っていますから、もっと効率的にやりたい、と言えば文句が出ることは殆どありません。去年は自分の仕事の効率化に専念しましたが、今年は、スコープを広げて、会社全体の効率アップを積極的に推し進めて行こうかと思っています。

成功を信じるスタートアップで働き、仕事も面白く、子育てにも参加できる、というのは、最高な幸せです。

これを可能にしてくれる妻と子供達、会社、そしてアメリカ社会に、多大な感謝をしつつ、今年もがんばります。

2010年 新春 次女の揺り籠を揺らしつつ
(糸井名生氏のブログ「柳通り便り(http://blog.goo.ne.jp/naomaru1)」より転載)
糸井名生(いとい・なおまる)氏

1973 年生まれ。名古屋大学工学部情報工学科卒。1996年に渡米し、ミシガン大学コンピューターサイエンスの修士・博士課程へと進学。電子認証などのセキュリ ティプログラムに関連する研究でPh.Dを取得。2001年、サンマイクロシステムズへの入社を機にシリコンバレーへ。アクティブカード社などを経て、 2007年4月Itoi,LLCを起業。
現在は、NextLabs, Inc.というスタートアップでエンジニアとしても活躍中。


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