第19回ラウンドテーブル「起業2.0!」第二弾の開催ご報告
第19回ラウンドテーブル「起業2.0!」第二弾の開催ご報告好評を博した前回のラウンドテーブルに続き、起業をテーマにした第19回ラウンドテーブル「起業2.0!」第二弾をサンノゼのJETRO BICにて開催いたしました。今回の参加者は、自らのビジネスを発展させようと奮闘中の起業家、これから起業することを考えている方のほか、起業家と一緒 に仕事がしたい方、チームメンバーを募集している起業家、シリコンバレーでの新しいキャリアを模索している方など、多種多様な顔ぶれが集まりました。加え てSVJENのボードメンバーからシリアルアントレプレナーの曽我氏、ベンチャーキャピタリストの大澤氏、弁護士のプレントン氏が参加し、ディスカッショ ンは大いに盛り上がりました!
各人の自己紹介のあと、進行役の曽我氏から、「起業に関して今困っていることは何か?」という議題が出されました。参加者の質問とディスカッションの内容について報告します。
(1) シリコンバレーで日本人以外の現地ネットワークを開拓したい。参考となる団体などはあるか?
シリコンバレー最大の外国人起業家ネットワークはインドのTiE(http://www.tie.org/)。その他にも中国人系、ベトナムのVSVN(http://www.vsvn.org/)、台湾系など様々なネットワークがある。
いくつかの団体では、ビジネスプランコンテストのようなイベントを開催しており、起業アイディアをネットワーク内で発表してベンチャーキャピタリストや他 の起業家からアドバイスを受けたりしている。日本人でも参加可能なイベントもあり、どんどん飛び込んでいってほしい。
個人ベースのネットワークを構築するには、Meetup.comやWorkit.comといったウェブサイトが便利。
日本人以外ともネットワーキングをすることで、シリコンバレーが持つ世界有数の環境を活用することが、当地に来た日本人の特権である。
(2) 起業に至るプロセスとして、自らのアイディアが出発点なのか、それともビジネスパートナーとの出会いが先なのか?
もちろん自分のアイディアを持つことは大事であるが、出会いが重要である。複数の人間でブレーンストーミングすることで、新しいアイディアは生まれる。
一人での起業は精神的にも肉体的にも厳しい。過去の起業経験から、複数のチームであったことで救われた局面も多い。
出会いは自分で作るもの。日本人同士だけでなく、先のような他国人のネットワークにも積極的に参加したほうが良い。グローバルな市場に出て行くことを想定すれば、意識的に人種や文化的背景の違う人材を集めてチームアップするケースも有効。
起業の際、複数で立ち上げれば、役割分担がはっきりし、やるべき事に集中しやすい。また自分のネットワークだけでなく、チームメンバーのネットワークも加わるので、更に必要な人材も集まってくる。
チーム構成では、自分にはない力を組み合わせることが重要。シリコンバレーには豊富な人材がいる。それを活かさない手はない。
日本人だけのチームがダメなわけではない。しかしシリコンバレーに居る日本人の数が、インドや中国に比べて絶対数として少ないので、難しく思われるのだろう。
(3) 起業した後、開発した良い技術をどのようにビジネスに発展させていけばよいのか?
コアとなる技術や市場によって、マーケティング戦略は大きく異なるもの。ケース・バイ・ケースとしか言えないだろう。
単独でビジネスに発展させるのは困難。先述のように、シリコンバレーのネットワークからビジネスディベロップメントに長けた人材を引っ張ってくることが必要。
(4) 企業内の技術を持って新しい会社を興す場合、IPの権利関係についてどう対応すべきか?
組織から飛び出す場合、喧嘩別れにならないように留意すべき。元の会社との良好な関係継続は、新しいビジネスでも非常に役に立つ。
IPの取り扱いも、完全にクリーンな関係を構築しておくことが法律上は望ましい。IP訴訟のリスクが目に見えるようであれば、ベンチャーキャピタルは容易に出資してくれない。
一方で、IP訴訟のリスクにそれほど敏感になり過ぎる必要はない。企業のIPは、自分たちのビジネスを守るために持つもの。オフェンシブな目的のIPは少 ない。例え、企業側がIP訴訟を起こしても、その真意はIPを取り返すことではなく、起業家のビジネスを邪魔したいだけ。だから、元の会社からは円満退社 をして、嫌がらせを受けないような関係構築の方が大事。
例えばインテルの場合、スピンアウトした企業が自分たちのIPを持って行っていても、最初は知らん顔をしている。そのビジネスがインテルの本業に影響を及ぼすようであれば訴えるケースもあるかもしれないが、ほとんどないのが実態。
企業内での新規事業立ち上げが困難な場合でも、外へ出て一人で動き出すと直ぐに「自由」を感じる事ができる。そうすれば、新しい知恵を持った人たちとチームアップできるし、IPについての考え方も違ってくるだろう。
(5) シリコンバレーでは、起業するにしても組織に属するにしても、外国人にはビザの問題がある。良いアドバイスはないか?
ビザの問題は、年々変化している。9/11のテロ以降、ビザの発給やグリーンカードの取得が非常に困難になったが、また緩和し始めているとの声もある。
ビザやグリーンカードについて詳しい弁護士の協力が必須。弁護士によって対応も大きく異なるので、色んなネットワークを通じて「ビザに強い」弁護士を見つけること。
ビザの制度への対応のみならず、自分がシリコンバレーで本当になにがやりたいのかを再考することも必要ではないか。日本で起業してシリコンバレーを中心に 活躍している人もいる。ビザがなくてもシリコンバレーと関わる事ができる他の方法もあるということを認識していた方が良いだろう。
(文・写真:八木誠吾)
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