第7回 「スピンオフ起業に伴う知的財産(IP)に絡む諸問題とその対応策」開催報告 第7回 「スピンオフ起業に伴う知的財産(IP)に絡む諸問題とその対応策」開催報告





スピーカー:弁護士 中町 昭人氏
(Kirkland & Ellis LLP)
photo:スピーカー 中町 昭人氏




 昨今、さまざまな議論を呼んでいる知的主有権(IP)。無形資産であるがゆえ、「日常の業務に関係ないもの」、または「重要ではあるが定義しづらく、面倒なもの」という認識をお持ちの方が多いのではないでしょうか?

 今回は、長年に渡り知的所有権(IP)の法的アドバイスを行っていらっしゃる弁護士の中町昭人氏をJETROサンノゼオフィスにお招きし、最近起業の中でも特に多い大企業からのスピンオフを行う際のIP問題について、お話をいただきました。

 また、ご参加された方々には、今まで会社の中で仕事の一環として関わってきた研究開発をベースとし、ビジネス・チャンスをつかもうと考えていらっしゃる 方が多く見られました。その中でもすでに起業の準備を進めてらっしゃる方や、すでに起業をされた方など、IPに関わる複雑なプロセスを実感されているバッ クグラウンドも多彩な皆さんにご参加いただきました。

◆投資資金を得るためにはIP戦略は必須
 中町氏は、IPの「Worldwide独占的権利」が投資側からみた場合、非常に重要な要素であると述べられました。これは、VCが投資先のポテンシャ ルに対する評価を行う際に、根幹のIPが制約されると必然的に「ウマミ」が減退してしまう、ということがあるからとのこと。ここでポイントとなるのは、そ のIPが会社の運営上コアなものかどうかについて起業家はきちんと判断をする必要があり、その重要度に応じた企業戦略を初期の段階から確立する必要がある ということでしょう。

◆スピンオフ起業は今がチャンス?
 今回のラウンドテーブルで特に印象的だったのは、以前日本企業の知的財産権部にいらっしゃった方が、現在の日本の大企業からの特許を基にスピンオフする のに最適な時期であると明言していたことでした。これは過去の日本企業によるIPの「乱発」状況とは違い、特許そのものを維持するためのコストを削減する ために会社が起業を奨励する風潮が強まっているため、とのご意見でした。

◆IPは会社の中心的な資産
 現在日本は、一種の「特許バブル」に沸いており、安易にIPを捕らえがちな風潮がありますが、IPをビジネスの根幹にあるキー・コンポーネントという認識をしっかり持ち、起業の時点でIP戦略を立てる必要性について、ご参加の皆さんは認識を新たにされていました。


 最後に、スピンアウトに際するIPの取り扱いについて、特に「前勤務先企業のコアビジネスと直接競合関係になる場合は最大限の注意を払い、法的な制約や 処理をきちんと理解するとともに、可能な限り良好かつ建設的な関係を保つことが最も重要である」という認識で会場全体の意見はまとまりました。

(文:浜中真介)


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▲「知的財産については単に独立して考えるのではなく、ビジネス全体を見据えた包括的な戦略の構築が必要」と中町氏。さらに何よりも「人と人との関係が重要」と強調されたのが印象的。
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▲ 当日は30名を越える起業家のみなさんが、JETRO サンノゼ・オフィスに集合。熱気あふれる雰囲気の中でスピンオフ特許の権威である中町弁護士の講演に聞き入っていらっしゃいました。この後、各々が活発な 質問および意見交換を行い、「特許全体に関する認識を改められた」というコメントも。



タイトル: 第7回 「スピンオフ起業に伴う知的財産(IP)に絡む諸問題とその対応策」開催報告
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